実務直結のオンボーディングを。キャリア入社者を支える教育プログラム「FEP」の舞台裏

連載「Open New Frontiers─未来を紡ぐ光─」第4回|キャリア入社者を支える研修プラン

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BIPROGYは持続可能な社会の創出に向け、ICTを核としたテクノロジーと、さまざまなパートナーとのビジネスエコシステムを掛け合わせ、社会的価値を創出する企業グループへと進化を続けています。その実現のカギとなるのは、社員一人ひとりの専門性と多様性。積み重ねられた経験と、未来を切り拓こうとする志が、BIPROGYの成長の原動力です。本企画では、キャリア入社者に焦点を当て、彼らがなぜ当社を選び、どのように自身の経験や視点を生かしているのか、そして今後どんなキャリアや未来を描こうとしているのかを多面的に紹介していきます。第4回では、キャリア入社者向けの教育プログラム展開をオンボーディングの一環として取り組む伊東岳史と、自身もキャリア採用でBIPROGYに入社し現在はプログラム事務局を務める高橋希実が登場。「FEP(Financial1 Education Program)」という愛称で親しまれるプログラムスタートの経緯やその舞台裏、具体的な成果、そして今後の展望について話を聞きました。

キャリア入社者の活躍を後押しする教育プログラムを展開

――まずはお二人の担当業務について教えてください。

写真:伊東岳史
BIPROGY株式会社 ファイナンシャルサービス第一事業部
事業部長 伊東岳史

伊東私は大手の金融機関を対象としたICTサービスを提供するファイナンシャルサービス第一事業部の事業部長をしています。1999年に日本ユニシス(当時)に新卒採用で入社しました。

高橋ファイナンシャルサービス第一事業部に所属し、損害保険会社をメインで担当しています。私自身も、前職の損害保険会社を経て、2023年1月にキャリア採用として入社し約2年半になります。

――ファイナンシャルサービス第一事業部のキャリア入社者向けに教育プログラムを開発されました。開発のきっかけは何だったのでしょうか。

伊東2020年にキャリア採用で入社した社員がいたのですが、コロナ禍で顧客訪問や対面コミュニケーションの機会がほとんどなかったこともあり、彼はBIPROGYでの営業としての動き方がなかなかつかめずに苦労していたんです。当時、私は上司として1on1ミーティングなどで悩みを聞いていく中で、「キャリア採用で入社した社員たちが最初にぶつかる壁や悩みを体系化して教育プログラムにできないか」と考えるようになりました。

1年ほど準備をして、2022年に当事業部独自の教育プログラムを開始しました。キャリア入社者には豊富な経験を生かした活躍を期待していますが、新しい環境での適応には時間が必要です。「組織になじみながら、これまでのキャリアで培った経験値を存分に発揮していただきたい」。そんな思いから、この教育プログラムが、小さくともその背中を押す取り組みになればと考えてのスタートでした。

――キャリア入社者向けの教育プログラムの内容について、教えてください。

写真:高橋希実
BIPROGY株式会社 ファイナンシャルサービス第一事業部
営業五部 第二営業所 高橋希実(2023年1月入社)

高橋キャリア入社者たちの経験談を基礎に、業務でつまずきやすい営業プロセスや契約書の作成、納品場所や納期の調整などを中心に全10回程度の内容で構成しています。プログラムは、「FEP(Financial1 Education Program)」という愛称で親しまれ、約半年間、参加者の負担がなるべくかからないように配慮しつつ進めています。

FEP実施の背景の1つには、ファイナンシャルサービス第一事業部のキャリア入社者は金融業界から転職してきた人が多いという点が挙げられます。金融関連の専門知識はあっても、ITに関する知識に不安を抱えているケースも多いので、この取り組みはIT知識の補完や社内での接点づくりなど多面的な役割も果たしています。例えば、提案書の作成方法やシステムの使い方、社内稟議のプロセスなど、実務に直結する内容になっており、すぐに現場で生かせるのではないか、との思いでプログラムを継続しています。そして、分からないことがあったときに、誰に何を聞けばいいのか、その道標を提供できるような内容を意識しています。

BIPROGYの若手・キャリア入社者向け研修の一例

図版:BIPROGYの若手・キャリア入社者向け研修の一例
2024年度に行われたBIPROGY全体としての若手・キャリア入社者向けの研修の一例。BIPROGYは、顧客に寄り添った課題解決型営業を主軸とするため、業務範囲が広く関連部署も多い。このため顧客課題の発見と深掘りなど、クライアントに寄り添った提案を実現するための内容に重きが置かれている

教育プログラム「FEP」の内容例

図版:教育プログラム「FEP」の内容例
2025年度の「FEP」のスケジュールとプログラム例。金融業界等異業種からのキャリア入社者も多いというファイナンシャルサービス第一事業部の特性に合わせた内容が充実している。例えば、(1)情報収集や案件の掘り起こし、(2)提案に加え、(3)営業プロセスや各種のオペレーションなどキャリア入社者や経験の浅い社員がつまずくポイントを中心にプログラムが組成されている。そして、特定の重要顧客(アカウント)との中長期的な関係構築を実現するための戦略解説など高度な内容も網羅されている

伊東教育プログラムを開始して2025年で4期目になりますが、毎年7~10人くらいが受講しています。最初はキャリア入社者を対象にしていましたが、2期目の2023年からは新卒入社の2年目の社員なども対象に加えました。

キャリア入社者は社会人経験も前職の業界や業務内容も異なり、各々の経験値や強みが異なるところがプログラム開発の難しさです。そこで、このプログラムでは「転職後にこれが分からない」「ここでつまずきやすい」というキャリア入社者ならではの共感を大事にしました。BIPROGY社内で知っておくべき汎用的な内容からスタートして、少しずつ中長期的な視点を持って業務に臨むための専門的な内容も学べるようにしています。

高橋講師については、テーマごとに経験豊富なメンバーを事業部内から選定しています。教え方が偏らないよう、毎年講師は変更しています。今年から、参加者相互のネットワーキングをさらに強化することも意識して、講師陣にキャリア採用の社員も加わりました。皆さんそれぞれのオリジナリティを加えながら熱量を持って講師をしてくださっています。通常の業務がある中で、教育プログラムのための時間を確保していただくので、隔週水曜日など日時をあらかじめ決めて、時間を押さえていただくことでスムーズにスケジュール調整ができています。

教わり、教える。キャリアと新卒で良い相乗効果が生まれる

――4年間続けてきて、受講者の反響はいかがですか。

高橋アンケートの回答では「分からないことがあって困っていたので助かった」「日常の業務で役に立った」といった声がありました。私自身、キャリア入社者として2024年度に教育プログラムを受講しました。IT業界は未経験だったので、当初は分からないことが多すぎて、戦力になれないもどかしさをすごく感じていたんです。プログラムで知識を得られたことや、他のキャリア入社者・新卒入社2年目の方々がどのように業務に携わっているか知ることができたのは大きかったと思います。

伊東2期目の受講生がすごく苦労しながら、教育プログラムで教わった社内プロセスを経て、新規の受注を勝ち取ったのはとても印象に残っています。私自身もこの取り組みをスタートして本当によかったと感じました。この手応えからも、プログラム受講後の働きがいは高まっているのではないかと思います。

教育プログラムの内容そのものはもちろん、副次的な成果として、部署を超えた横のつながりが形成できています。キャリア採用の社員は新卒社員のように同じタイミングで入社する同期が大勢いるわけではないので、社内の横のつながりが作りづらいんです。「この教育プログラムの同期」という形で事業部の仲間としての一体感が生まれ、日ごろの業務でも部署を超えたコミュニケーションが図りやすくなっています。

写真:2024年度の「FEP」の様子
2024年度の「FEP」の様子。参加者一人ひとりの真摯な学習への取り組みが伝わる

高橋2024年と2025年の受講者が集まり合同で交流会を実施しました。その中では、「ここが変だよ、BIPROGY」というテーマで参加者同士が忌憚なく議論したのですが、BIPROGY以外の会社を知っている社員たちからさまざまな意見が出て社内のネットワーク強化にも役立ちました。その他にも、任意での懇親会なども行われていて、この教育プログラムが社内の人脈づくりの手助けとなっていることがうれしいですね。事務局としても受講生の皆さんとのつながりができましたし、とても貴重な経験をさせていただきました。

――キャリア採用の社員が増えて、職場に変化はありましたか。活躍を見て感じられていることがあれば教えてください。

伊東前職で培った業界の専門知識と経験値がキャリア入社者の大きな強みです。もともと持っている業務知識に加えて、教育プログラムなどでIT知識が補完されることで、より活躍につながっていると感じます。今、当事業部の約2割がキャリア採用の社員です。その存在が、組織の戦力の大きな柱になっているくらい存在感を発揮してくれています。新卒でBIPROGYに入社した社員がキャリア入社者に共有できるノウハウも多いですし、逆にキャリア入社者からの提案が新たな発想につながることも多い。本当に良い相乗効果が生まれています。

もともと当事業部は、大手金融機関を顧客とすることから、まじめでスマートな組織カルチャーを強みとしていました。そこに多様な業界経験を持つキャリア入社者が加わることで、新たな視点や発想が生まれ、組織全体に良い刺激となっています。現在は、既存社員とキャリア入社者の間にシナジーが生まれ、より革新的な取り組みが可能になっている手応えを感じます。キャリア入社者にも、これからどんどん組織長の立場にもチャレンジしてもらって後進育成にもぜひ参画してほしいですね。

――今後、このプログラムをどのように発展させていきたいですか。

伊東これからも毎年続けていきますし、プログラムの内容もアップデートしていきます。先ほど少し触れましたが2025年は初めて、過去のプログラム受講者が講師になりました。教わった人が教えるという循環も作っていきたいですね。

高橋事務局を担当する身として、「FEP」の事業部内での浸透をさらに進めていきたいですね。そして、私自身もキャリア採用の社員としての色を出しながら、お客さまのニーズに沿った提案をして、新しい領域を意欲的に取り組んでいけたらと思っています。

写真:高橋希実、伊東岳史
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