守りを託し、攻めに回る──情報システム部門を支える「GASSAI」

AIを活用した持続可能な統合運用で、不確実な時代をともに勝ち抜く

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企業の情報システム部門の多くが、日々のトラブルや問い合わせ対応に追われている。守りの運用業務だけでなく、未来に向けた攻めの活動にも注力し、価値を生み出すにはどうすればいいのか。2026年7月に東京で開催された「BIPROGY FORUM 2026」では、ユニアデックスの3人が情報システム部門の抱える構造的な課題を解き明かし、解決策の1つとしてBIPROGYグループの知見を一切合切詰め込んだマネージドサービスブランド「GASSAI(ガッサイ)」を紹介した。

障害対応に追われる情報システム部門

セッション冒頭、ユニアデックス執行役員の田中大介が、日本企業における情報システム部門の現状を解説した。

田中は、多くの情報システム部門が「セキュリティインシデントを含めたシステム障害に翻弄され、戦略的な業務に集中できない」「グループ会社やサプライチェーンも含めた全体が可視化できず、対応が後手に回る」「運用が属人化し、知識のある担当者に業務が集中。引き継ぎも困難」といった状況に置かれていると指摘した。そして、従前から対策を講じてきたのに劇的には改善していない。その背景として挙げたのが、マルチクラウドやオンプレミス・SaaSの混在による運用の複雑化、巧妙さが増したサイバー脅威と、それに伴うセキュリティ要件の高度化、対応範囲の拡大、そして人材の不足と定着の難しさだ。

さらに、社会環境の変化や技術の進化により、情報システム部門に期待される役割そのものも広がっている。ビジネスニーズに合わせて攻めのIT戦略を描き実行することが求められる一方で、そのための人材が不足している企業も少なくない。

写真: 田中大介
ユニアデックス株式会社
ビジネス&マーケティング部門 執行役員
田中大介

積み重なる役割と、共通する3つの課題

続いて、ユニアデックス執行役員の近藤純が、情報システム部門の役割の変遷を解説した。その原型が日本企業に生まれたのは1960年代。大企業を中心にメインフレームを導入したのが始まりだ。1970~80年代になると中堅企業でもオフィスコンピューターを使うようになり、1990年代にはPCが普及。2000年代に入ると、企業システムのインターネット接続が当たり前になった。2010年代以降は、クラウド、DX、そして生成AIと技術革新が相次ぎ、これらをいかに使うかが企業の事業成長を大きく左右している。

こうした技術の変遷に伴い、情報システム部門の役割も、運用から開発へ、さらに企画、DXへと広がってきた。ここで重要なのは、それが直線的な置き換わりではなかったということだ。運用・保守の業務は現在も残り続けている。そこに企画・統制、セキュリティ・データ運用、DX・AI活用が積み重なり、同部門は守りと攻めが併存する状態に置かれている。

写真: 近藤純
ユニアデックス株式会社
マネージドサービス部門 執行役員
近藤純

ユニアデックスに寄せられるお客さま企業からの課題には共通点がある。

1つ目の課題は、情報システム全体を把握しきれないことだ。クラウド、特にSaaSの普及により、事業部門が情報システム部門を介さずにITサービスを導入できるようになった。各部門で個別に導入された複数のサービスは互いにつながり、システムの依存関係は複雑になっている。障害が起きれば、その複雑な構造を読み解くのは情報システム部門の役割だ。さらに、システム構築の過程では、ネットワーク、セキュリティ、デバイスなど領域ごとにベンダーが異なっていたり、社内のインフラと業務システムで構築・運用を担う組織が分かれていたりすることが多い。日々寄せられる依頼に対応しながらシステム間の整合性を保たねばならず、全体を把握することは年々難しくなっている。

2つ目の課題は、システム運用に再現性がないことだ。システム運用では、障害を検知した際、影響の度合いと緊急性に基づいて優先順位を決めるのが定石だ。しかし実際には、システム構成の全体像が分からない、業務影響範囲が整理されていない、担当者ごとに判断基準が異なる、エスカレーションルールが曖昧であるといった理由から、優先順位を一貫して判断できないケースが少なくない。その結果、情報システム部門の対応はばらつき、運用の再現性が損なわれてしまう。

3つ目の課題は、「やりたいこと」に手が回らないことだ。保守運用やトラブル対応など、緊急性が高く今重要な仕事に時間が奪われ、緊急ではないが将来に向けて重要な攻めの仕事に取り組む余裕がない。

これらの課題が会場でも共通するのか。それを確かめるべく実施したセッション来場者アンケートで「情報システム部門の成熟度」を尋ねたところ、最も多かった回答は「レベル3:決めたとおりにこなせるが余裕はゼロ」(50%)、次いで多かったのは「レベル2:何とか回っている」(29%)だった。実に9割近くの回答が情報システム部門に余裕がないことを示す結果となった。ユニアデックスでは顧客企業に対して「まずはレベル3を目指しましょう」と伝えている。レベル3であれば、守りの仕事を外部に委ね、手放しやすくなるからだ。

図: 情報システム部門の成熟度
図1:情報システム部門の成熟度 出典:BIPROGY FORUM 2026 セッションP-15来場者アンケート

次に「情報システム部門の課題」(複数回答可)を尋ねたところ、「ガバナンス・サービスの準備」が67%で最も多く、「サービスの適用」「サービスの戦略」が各58%で続いた。課題は特定の領域に偏っているのではなく、統制から実行までの全段階に広がっている。
これらに手を打つには、守りの仕事を外部に委ね、攻めの時間を確保することが解決策への第一歩となる。

図: 情報システム部門の課題
図2:情報システム部門の課題(複数回答可) 出典:BIPROGY FORUM 2026 セッションP-15来場者アンケート

安定と変革をどう両立するか

多くの課題がある中で、情報システム部門のあるべき姿とはどのようなものなのか。ユニアデックスCIO/理事の坪内淳が解説した。

写真: 坪内淳
ユニアデックス株式会社
CIO/理事
坪内淳

日常の運用業務が定型化されていれば、仕事の内容も必要な人員も予測できる。しかし実際には突発的に発生するインシデント対応、セキュリティ対応、問い合わせ対応が業務を圧迫するため、緊急性は低いが重要なタスクが後回しになってしまう。情報システム部門にとって、止まらないシステム運用や信頼される情報システムといった安定と、新しい価値を生み出すための変革の両立は重要だ。

図: 安定と変革の両立
図3:安定と変革の両立が重要(出典:BIPROGY FORUM 2026 セッションP-15講演資料)

坪内は情報システム部門の仕事を、「安定・統制」と「変革・進化」、そして「構造・仕組み」と「実践・実行」という2つの軸で4つに整理する。現実には、そのうち「安定の実践」に偏る傾向がある。安定の仕事をこなしているだけでは、改善はできても改革はできないため、仕事は減らず、負荷は軽くならない。「安定の実践」の負荷を軽減するには、型をつくる「規律の構造化」「変革の構造化」と、「変革の実践」が必要だ。とはいえ、その余力をどう生み出すかが問題になる。

業務を「安定の実践」から他の3領域にシフトするには、属人的な業務を仕組み化し(規律の構造化)、その先に将来のための基盤をつくっていくこと(変革の構造化)が肝要だと坪内は語る。「頼まれたら断らない」「障害が起きたら直ちに駆け付ける」──そうした献身だけを評価する組織になっていないか、見直すことも必要だ。個人のスキルの問題として捉えるのではなく、組織や業務の構造に問題がないかを見定め、余力を生み出し、他の3領域にリソース(人・時間・カネ)をシフトしていく努力が求められる。

誰に任せるか──「GASSAI」という選択肢

リソースを他の3領域にシフトするために、「安定の実践」領域の業務を第三者に任せる場合、誰に任せればいいのか。田中は、「任せられるベンダー」見極めのポイントとして次の4点を挙げた。

  • ICT環境全体を横断して見渡せること。個別対処ではICT課題の連鎖に対応できないが、全体を見る視点があるか。
  • 運用だけで終わらず、新しい価値を生み出せること。データ活用による障害の予兆検知に取り組むなど、継続的にサービスを改善し続ける姿勢はあるか。
  • 自分たちでもシステムを使っていること。自社のIT運用に自らのサービスを適用している知見と経験があるか。
  • 規模と実績があること。属人化しない仕組みによって、安定した運用が期待できるか。

ユニアデックスは、BIPROGYグループが60年以上にわたり5000社以上のお客さまと培ってきた運用保守の知見と経験を結集し、それらをマネージドサービスブランド「GASSAI」として刷新・体系化。2025年6月から提供している。

GASSAIの特徴は、個別の製品やサービスを提供するのではなく、お客さまの課題を起点に運用全体を統合的に支援することにある。クラウド、ネットワーク、セキュリティ、デジタルワークプレイスは、本来切り離して扱えるものではない。安定した事業運営を実現するには、それらの領域を横断して最適化することが必要だ。GASSAIはプロフェッショナルの知見にAIの活用を重ねながら、お客さまのシステム運用をトータルで支えていく。

機器導入の効率化や運用自動化、障害の予兆検知などへのAI活用にも着手している。AIを新たな戦力と位置付け、人が担ってきた定型業務を引き受ける存在として活用していく、というのがBIPROGYグループの考えだ。AIは日々の運用データや現場の知見が蓄積されてこそ価値を発揮する。GASSAIは、日々の運用データが蓄積されるほどに精度を高めていく。

BIPROGYグループが目指すのは、AIを活用した持続可能な統合運用で余力を生み出し、不確実な時代をお客さまとともに勝ち抜くことだ。企業の情報システム部門が、事業を支える存在から事業の成長を生み出す存在へ。その変革を、GASSAIはお客さまとともに進めていく。

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