Break Through! 挑み続けるBIPROGYバドミントンチーム 第2回 杉山薫選手

個人戦も団体戦も仲間とともに戦い抜き、憧れてきたチームに貢献したい

画像:TOP画像

自身の努力とチーム力でさらなる技の高みを“切り拓く”BIPROGYバドミントンチーム。選手たちが自身の想いや信念について熱く語る本企画。第2回は、2022年4月からBIPROGYバドミントンチームに所属し、昨年度、団体戦のバドミントンS/Jリーグ(日本のトップチームによるリーグ戦)では、新人ながらエース級の活躍を果たした杉山薫選手にインタビュー。BIPROGYバドミントンチームには学生時代から魅力を感じていたという杉山選手。そんな彼女にこれまでの歩みや、憧れのチームに入った今、抱く想い、そして今後への意気込みを伺いました。

ヘッドライン

6歳の頃から今までずっとバドミントンが「楽しい」!

――まずは、BIPROGYバドミントンチームに所属するまでのバドミントン歴をお聞かせください

杉山兄がバドミントンを習っていて、その見学や、バドミントンの羽根で遊んでいたのが始まりです。6歳から兄と同じクラブに入ってバドミントンを習い始めました。最初は、羽根が当たるだけで楽しかったです。さらにラリーが続くと、もう「楽しい」しかない!(笑) その気持ちは今も持ち続けていますね。

写真:杉山選手
BIPROGYバドミントンチーム
杉山薫 選手

そして、小学5年でジュニアナショナルに選ばれたときに将来はバドミントン選手になりたいと真剣に考えるようになりました。中学・高校では、実家から離れた学校へ入学。寮生活がスタートし、6年間、バドミントン漬けの学生生活を送りました。寮生活は仲間がいたので寂しくなかったですし、先輩には全国で活躍している人も多く、良い刺激になりました。仲間と一緒に目標に向かって頑張り続けた6年間はまさに青春でしたね。

――バドミントン選手になろうと決めたきっかけはありますか?

杉山大学進学という選択肢もありましたが、実業団に所属する方がバドミントンに集中できると考えました。そのタイミングでBIPROGYから声を掛けていただき、入社することに決めました。

――入社前、BIPROGYにはどんなイメージを持っていましたか?

杉山実は、小学生のときにBIPROGYバドミントンチーム(当時は日本ユニシス実業団バドミントン部)の試合を何度か見て以来、応援するようになったんです。チーム全員が仲良く、皆で盛り上げている雰囲気に惹かれました。今でも雰囲気の良さを感じています。ですから、そんなチームに声を掛けていただけてうれしかったですし、そこでやるからには自分のできることを一生懸命やろうと思いました。

――BIPROGY入社後は、広報部の業務にも携わっていると伺いました

杉山現在は毎週水曜に出社し、フレンドリーマッチ(BIPROGYが開催する、東京都の小学校1年~3年生を対象にした非公式戦)など、バドミントンに関するイベントの業務などに携わっています。社員の皆さんが優しく声を掛けてくださり、交流できる良い機会になっています。

――最近ではバドミントンチームのショートムービーにも出演されたとか

杉山スタジオでの本格的な撮影は初めてだったので、新鮮で楽しかったです。一番印象に残っているのは、スモークをたいている中で「カメラに向かって“強い表情”をしてください」と言われたときですね。意識的に“強い表情”をしたことがなかったので、うまくいかなくて何度か撮影し直しました(笑)。

環境や練習の質が上がり、よりバドミントンに集中できるように

――社会人としてチームに所属して、学生時代からの変化を感じることはありますか?

杉山やはり、バドミントンをする環境や練習の質は上がりましたね。学生のときは選手の人数が多かったのですが、今は少数精鋭。監督やコーチと深くコミュニケーションが取れています。自分に足りない技術などに対して的確なアドバイスをしてくださいますし、自分の希望も踏まえた上でどうしていくのがベストなのかを一緒に考えてくれるので、確実に力を伸ばすことができています。

写真:杉山選手

――信頼関係が築けているのですね。

杉山女子チームの平山監督とは、練習以外のコミュニケーションも多いんです。テレビやドラマの話もしますし、最近は監督のお子さんの話が多いですね(笑)。先日、初めて平山監督のお子さんと会えたときは、とっても和みました!

――現在、特に力を入れている練習はありますか。

杉山長い試合や、競った際に勝ちきれないときがあります。これは、フィジカル面に課題があるからだと感じています。最後まで体力を持続するため、練習でも後半の疲れが出てきたときこそ、そこからどう頑張るかを常に意識しています。

写真:杉山選手

――BIPROGYバドミントンチームの魅力、良さはどのようなところだと思われますか?

杉山男女みんな仲が良いことですね。小学生の頃から憧れていたチームの雰囲気が当時から変わっていないな、と思います。そして何より、オリンピックや世界で戦う選手が多いことは大きな魅力です。先輩たちがチームを盛り上げていて、士気の高さを感じます。そうした皆さんがいる練習では、毎日得るものがあります。

写真:杉山選手

――チームの仲の良さが伝わります。オフの日もメンバー同士で交流はあるのですか?

杉山先輩たちが遠征から帰ってきたときは、よく食事に連れて行ってくれます。中でもキャプテンの中西(貴映)選手は、いつも気にかけてくださって、8歳上なのですが、なんでも話せます。

――他に、オフの日のリフレッシュ方法などはありますか?

杉山今、バスケの試合を見るのにハマっていて、Bリーグをよく見ています。現地へ観戦に行くこともあります。河村勇輝選手が推しで、応援するのがすごく楽しくて! 同じアスリートとして、日々の活力をもらっています。他には、時間があれば実家に帰ることも多いです。母が作ってくれるご飯を食べて、ゆっくり過ごしてリフレッシュしています。

写真:杉山選手

応援してくれる人たちのために、もっと高みを目指したい

――選手生活の中で苦労したことや、それを乗り越えたエピソードはありますか?

杉山高校1年の初めに足の小指を疲労骨折してしまったときです。約2カ月間、バドミントンができなくなってしまいました。それまでは好成績を残せていたのですが、思うように動けなくなり、今まで勝てていた相手にも負けてしまい……。

それからの1年間は、本当に苦しく悔しい思いばかりを抱えていました。そのタイミングで、世界ジュニアの大会に出場する機会をいただいたのですが、「周りには私よりもっといい選手がいるのに、なぜ?」と思考もネガティブになっていました。そんなとき、周りの人に本当に支えられたことで、少しずつスランプを乗り越えていくことができたんです。先生は「大丈夫だよ」と言ってくださり、仲間も気にかけてくれて、「今は結果が出なくても頑張ろう」と気持ちを切り替えられるようになっていきました。

写真:杉山選手

――杉山選手のバドミントンを支えている人や言葉はありますか?

杉山小学校のときのクラブコーチや仲間、そして親など、応援してくれる人たちの存在です。中でも親は、日本中どこにでも応援に来てくれるんです。「どこにでも車を走らせていくからね!」って。この間は実家のある茨城から、国体のあった鹿児島まで来てくれました。そんな家族を含め、皆さんに良い報告ができるようにもっと活躍したいと思っています。

――最後に、今後の意気込みや目標を教えてください。

杉山年末に開催される全日本総合(日本バドミントン協会が主催し、年に一度開催される、バドミントン個人戦の全国大会。2023年は12月25日から6日間の開催)への出場が決まっています。厳しい試合が続くとは思うのですが、ベストパフォーマンスを発揮してB代表(※)入りを目指したいです。それと、私はこのチームでの団体戦が大好きなんです。皆で戦うことで自分が持っている力以上のものが出せると思っています。S/Jリーグでも自分のできることを精いっぱいやり、チームに貢献していきたいです。

  • B代表…日本のバドミントンナショナルチームは、国際大会への出場基準が「A代表」「B代表」で異なる。オリンピック、世界選手権、トマス杯・ユーバー杯、スディルマンカップ、アジア大会、アジア選手権の6大会は日本代表選手(ナショナルチーム)A代表・B代表を中心として選手強化本部で選手選考を行う。Super500(BWFワールドツアーで賞金別に6段階に分けられた大会のうち、上から4番目の大会群)以上の国際大会は、日本代表選手(ナショナルチーム)A代表をエントリーする。但し、選手強化本部が認めた場合、日本代表選手(ナショナルチーム)B代表の選手も出場することができる
  • 国際大会のグレードについては、BIPROGYバドミントンチームのHPでも解説しています

Profile

杉山薫(すぎやまかおる)
2003年6月6日生まれ。茨城県つくば市出身。小学1年生からバドミントンを始める。2022年4月入社。2023年全日本社会人 女子シングルス準優勝、ペルーチャレンジ女子シングルス優勝(2連覇)
https://www.biprogy.com/badminton/team/sugiyama.html

関連リンク