Break Through! 挑み続けるBIPROGYバドミントンチーム 第1回 松友美佐紀選手

「苦しさ」は成長の種。日々小さな成長を重ね続けたい

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自身の努力とチーム力でさらなる技の高みを“切り拓く”BIPROGYバドミントンチーム。選手たちがバドミントンに対する姿勢、そして信念について熱く語る連載が始まります。第1回は、松友美佐紀選手。2016年のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得し、現在は金子祐樹選手とのペアで、混合ダブルスで奮闘しています。バドミントンチームの中でも特にストイックという松友選手。常に戦い続け、日々の“小さな成功の一歩”を、自身の確かな成長へとつなげていく姿勢は、どのように磨かれているのでしょうか。

ヘッドライン

強くなるためには、毎日目的を持って練習をすることが大切

――現在、特に力を入れて取り組んでいる練習内容はありますか?

松友「全て」というのが答えです。ある日いきなり強くなれることはなく、毎日の小さな積み重ねによって変化するしかありません。そのために、毎日明確な目的を持って練習に臨んでいます。技術面での変化や小さな感覚の違いなど、何かしら気付きを得ることができるからです。

写真:松友選手
BIPROGYバドミントンチーム
松友美佐紀 選手

具体的には、トレーニングで教えてもらったことを翌日すぐに試してみて、その振り返りや反省をし、また次に生かしていく。その繰り返しです。

――中長期的な目標を持つことは一般的にもイメージしやすいですが、“毎日”目標や目的を持つことは容易ではありませんよね。その姿勢が生まれた原体験やきっかけを教えてください

松友バドミントンを最初に始めたときの、「ハネが当たった」「できなかったショットができた」という瞬間の喜びが原体験であり、原動力の根底にあります。今でもできないことができるようになったり、自分でできない部分を理解できたりしたときは「うれしい!」と感じます。そうしてバドミントンを通じてさまざまな経験をしていく中で、自然と向上心が出てきました。これらの経験全てが自分を奮い立たせてくれます。

現状維持は退化と一緒。「新しいことができるようになる」楽しさを追求する

――バドミントンに向き合っていく中で、挫折や苦しいこともあったのでは?

松友苦しい状況は、成長できる機会でもあると思います。自分で乗り越えるしかないですし、それによって新たな知識や気付きを得られて成長につながるので、私にとって挫折や苦労と捉えている出来事はあまりないんです。

どんなに練習を重ねてもなかなか結果が伴わないこともあります。それが続いてしまうと、逃げたいと思うこともあります。ただ、一度でも逃げてしまったり、「これでいいや」と楽な方向に行ったりしてしまうと、なかなか元には戻れません。少しの間は楽になっても、本当に力を発揮したいときにできなくなってしまう。他の選手との差も開いてしまいますよね。自分のできないことや反省点を知れることは全て成長につながっている。そう信じて、乗り越えたいと思っています。

写真:松友選手

――チームのスタッフの皆さんにはその性格を「武士」と例えられることもあると伺いました。バドミントンに対して本当にストイックで、信念を貫いて日々練習されているのですね

松友武士……(笑)。実は、自分のことをストイックとは思っていないんです。最初にもお話しした通り、強くなりたいと思ったら練習をするしかありません。自分が必要だと思うから毎日練習を積み重ねている。それを「努力」とも思っていません。

――きっとその姿勢を一般的には「ストイック」と呼ぶのだと思います! 淡々と語られる姿もまさに「武士」そのものですね。松友選手がバドミントンと向き合う中で大切にされている言葉や信念はありますか?

松友「現状維持は退化と一緒」という言葉です。10年以上この言葉を大切にし、常に成長していけるように日々練習しています。バドミントンに限らず、知らないことを知る、新しいことができるようになるって楽しいですよね。現状に満足はせず、常に新しい何かを身に付けられるように意識をしています。

――日々強い想いでバドミントンと向き合われていますが、リフレッシュできる時間はあるのですか?

松友もちろんあります! お笑い芸人の動画を見るのが好きで、移動のスキマ時間に見て息抜きしていますよ。ドラマも見られるときには見ていますし、遠征中の飛行機で映画を見るのも好きです。あとは、漫画も大好きです。息抜きで読んではいるものの、『ワンピース』や『スラムダンク』『ブルージャイアント』のような目標のためにまっすぐに進み続ける漫画は、自分もこのくらい頑張らないと!と励みになります。こう話してみると、エンタメ全般が好きですね(笑)。

写真:松友選手

――BIPROGYバドミントンチームの魅力や良さはどのようなところだと思われますか?

松友選手が世界で勝つために、会社をあげて支えてくださっているところだと思います。18歳で入社してから今まで、日々の練習環境を整えてくださり、さまざまな場所で試合をさせていただいています。なかなかここまでやらせてもらえることはないと思うので、幸せですし、ありがたいです。

写真:松友選手

チームに入ったときは一番年下だったのですが、今では一番上の年齢になりました。後輩たちからもいろんなことを教えてもらって良い刺激になっています。

毎日を大切にして、練習を積み重ね、成長していくのみ

――最後に、今後の意気込みをお聞かせください

松友2024年のパリ五輪で勝つという目標はありますが、やはり毎日を大切に積み重ねて成長していくことが何より大事。与えられた時間は全員一緒です。その中で、1つでも多く新しいことを身に付けたいと思うと、どれだけ1日を大切に過ごせるかが鍵になると思います。実際にそれを行動に移すのは確かに大変かもしれませんが、私にとってはそれが日常。これからも練習を続け、成長していくのみです。

写真:松友選手

BIPROGYバドミントンチームの選手たちの想いを表現したショートムービーが完成

「BIPROGY その輝きの先へ(想い編)」

「BIPROGY その輝きの先へ(響き編)」

Profile

松友美佐紀(まつともみさき)
1992年2月8日生まれ。徳島県板野郡藍住町出身。2010年4月日本ユニシス株式会社(当時)入社。
2016年リオデジャネイロ五輪 女子ダブルス高橋礼華との「タカマツペア」で金メダルを獲得。現在はバドミントン日本代表として混合ダブルスで活躍。
https://www.biprogy.com/badminton/team/matsutomo.html

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