私の本棚 第4回

STAY HOMEでお薦めの本

画像:TOP画像

初心者必読の本から上級者向けの本、「座右の書」などを推薦者のコメントとともにご紹介するコーナー。第4回のテーマは、「STAY HOMEでお薦めの本」です。価値ある一冊に巡り合う一助となれば幸いです。

写真:日本ユニシスCMO 齊藤昇

今回の推薦者
日本ユニシス株式会社
代表取締役
専務執行役員CMO・CCO
齊藤昇

ORIGINALS
誰もが「人と違うこと」ができる時代

「STAY HOME」期間に読んだ本の中でベスト。前書きを寄せているのが、米フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ氏、監訳者が『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社、2012年)の楠木建氏というだけでも読む価値がありそうだと手に取ったが、その直感に間違いはなかった。「オリジナルな人」というのは特別な存在なのだろうか。子どもの頃から天才と言われた人だけが大発見や後世に残る作品や成功した事業をつくるのだろうか。この著書のメッセージはそうではなく、「失敗をして学んで諦めないことが、成功につながる」ということ。そして、「誰もが“ORIGINAL”になれる」ということだ。この本を読むと元気になれる。チャレンジする意欲も湧いてくる。そして、「思いを実践していこう」という勇気が持てる。ぜひお薦めしたい一冊。

[著]アダム・グラント
[出版社]三笠書房
[発行年月]2016年6月

1兆ドルコーチ
シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え

アメフトのコーチ出身で、シリコンバレーの多数のエグゼクティブにコーチングを行い伝説となった、ビル・キャンベル氏。彼のコーチによって80人のエグゼクティブがどのように成功へと導かれたのかを、この本を通じて学ぶことができる。多少“体育会系”のところがあるものの、コーチングの心得やその効果、リーダーとしていかにチームビルドを実践していくのか、さらに、コーチングを受ける立場ならばどのような心構えでコーチングを受けるべきか、それぞれの立場で学ぶことができる。私は、この本を通じて自分自身を見つめ直すことができた。ぜひ、皆さんも素直な気持ちで読んでみてほしい。

[著]エリック・シュミット/ジョナサン・ローゼンバーグ/アラン・イーグル
[出版社]ダイヤモンド社
[発行年月]2019年11月

シン・ニホン
AI×データ時代における日本の再生と人材育成

ヤフーのCSO(チーフストラテジーオフィサー)でデータサイエンティスト協会の理事も務める、慶應義塾大学環境情報学部教授の安宅和人氏。本書は、安宅氏の「日本を再生したい」との強い思いがあふれる一冊。「AI×データ」の利活用が時代のキーワードとなりつつある今、求められているデジタル人材の育成のヒントを得ることができる。さらに、平成という時代の中で、世界に後れを取ってしまった日本が、復活するために必要となる教育や国の在り方の視座も提案されている。未来のために、日本社会の一員として活躍する皆さんや、そんな子どもを育てたい方に読んでほしい。ただし、安宅氏の思いの強さの分、ボリューム満点。読み切るのには少し覚悟が必要とも感じる。通勤時間がない今こそ、ぜひチャレンジしてほしい。

[著]安宅和人
[出版社]NewsPicksパブリッシング
[発行年月]2020年2月

ニュータイプの時代
新時代を生き抜く24の思考・行動様式

私がCUで対談させていただいた山口周先生の著書。本書での視点は、対談「問題発見能力」が問われる時代のイノベーション(前編/後編)の中でも触れている。「人に与えられた問題を解決する人ではなく、これからは自ら問題を発見して、事業を創造し、その問題を解決していく人が必要」という先生の発想には強く共感している。私自身は、「ガンダム世代」ではないが、「オールドタイプ」と「ニュータイプ」、今あなたはどちらの比率が高いとお感じになるだろうか? とても読みやすく、新時代を切り拓く着想を得るためにも「STAY HOME」での読書に最適だと思う。

[著]山口周
[出版社]ダイヤモンド社
[発行年月]2019年7月

関連リンク