2017年10月27日、28日の2日間、熊本空港近くのグランメッセ熊本(熊本県上益城郡)で「2017くまもと地域振興フェア WONDER MESSE KUMAMOTO」が開催されました。「創造的復興に向けた熊本の新たな挑戦!」というコンセプトの下、震災復興、歴史、文化、観光、企業、特産物といったテーマで、熊本の未来創造に向けた取り組みが紹介されました。日本ユニシスは、復興を支援する企業の1社として参画するとともに、ITを駆使した支援活動を展開しました。
復興イベントを盛り上げた
電子マネーと参加型ゲーム
今回が2回目の開催となる「くまもと地域振興フェア」は、過去に「くまもと産業ビジネスフェア」として開催されていたイベントの発展形で、熊本地震からの復興に地域全体で取り組んでいこうとの趣旨で始まったものです。メイン会場となったグランメッセ熊本自体も地震で大きな被害を受け、長期休館を経てようやく今年復旧したこともあり、まさに復興に向けた象徴的なイベントとなりました。
初日に行われたオープニングセレモニーでは、主催者を代表して肥後銀行の代表取締役頭取 甲斐隆博氏が「熊本の魅力は総合力にあります。それを伝えるための情報発信が重要。このフェアで多面的に熊本を紹介して、創造的復興の歩みがさらに力強いものになることを願っています」と、このイベントにかける期待を語りました。
フェアでは、歴史、文化、産業、物産物などのテーマに沿ったゾーンが設けられ、多くの展示が行われました。なかでも多くの人のお目当ては、熊本県名産の食べ物や飲み物が一堂に集められた「うまかもん発見ゾーン」です。そこでは、電子マネーをチャージするとキャッシュレスで買い物ができるスマホ決済サービスが提供されました。
「これはくまもとDMCと日本ユニシスが協働で訪日外国人にサービス提供するスマホ決済アプリ『Japan Local City Card (Kumamoto)』を、この2日間だけ実験的に日本語対応させたものです。使っていただければスマホ決済の便利さが分かるはずです」と、肥後銀行担当営業の日本ユニシス ファイナンシャル第三事業部 西日本営業部 九州営業所 セールスマネージャー、江﨑公持は話します。先着100人までは800円で1000円分がチャージされることもあって、アプリをダウンロードしてお得な買い物を楽しむ来場者の姿が見られました。
また、「未来創造ゾーン」の日本ユニシスのブースでは、野菜収穫体験ゲーム、バドミントンゲームの2種類のゲームを展示しました。いずれもマイクロソフトのセンサーデバイス「Kinect」を利用したゲームで、大型ディスプレイの前で動きながらゲームに参加できます。
野菜収穫体験ゲームは、ディスプレイの前でさまざまな動きをすることで、野菜を育て、収穫するまでを仮想体験できるゲームです。一方のバドミントンゲームは、日本ユニシス実業団バドミントン部に所属する選手相手に対戦できるゲームで、有名選手が相手をしてくれるとあって子どもたちは大喜びでした。
日本ユニシス ファイナンシャル第三事業部 S-BITS統括部長の渡邊弘巳は、「今回のイベントで、日本ユニシスという企業を多くの方々に知っていただくとともに、会場を大いに盛り上げようと考え、みんなで楽しめるゲームを出展することにしました。おかげさまで、多くの方々にご来場、お楽しみいただき、弊社としても大満足です」とコメントしました。
GPSで安全を確保した
サイクリングイベント
同時開催の「第1回 熊本復興祈念ロードフェスタ」と銘打ったサイクリングイベントは、イベント2日目の朝から実施されました。当日は台風が接近中で、あいにくの雨模様になりましたが、老若男女約300人が参加。開会式では地元の親子が選手宣誓を行い、長短2つのコースで4つのグループに分かれて、震災の爪痕が残る益城町を走りました。
このサイクリングイベントは、くまもとDMCが主催して熊本県サイクリング協会が共催し、多くの協賛企業に支えられて実施されました。日本ユニシスでは、GPS監視システムを提供するトラッキモGPSと協力して、参加者全員がどこを走っているかをリアルタイムに把握するサービスを提供することで競技の安全面をサポートしました。
スタート前に参加者全員に渡されたのは、トラッキモGPSが提供する小型GPS端末「Trackimo UNIVERSAL TRACKER」。同端末は、すでに国内のいくつかのイベントで採用された実績があり、機能は証明済みです。携帯電話が入るエリアをカバーし、端末を持っている人がどこにいるのかをリアルタイムに把握でき、緊急時にはSOSボタンを押すことで、位置情報付きで連絡することができます。
今回のサイクリングイベントでは、参加者全員の現在位置をメイン会場内のディスプレイに表示することで、レースの進行状況を来場者に伝えるとともに、タイムを測定して中間地点やゴールの受け入れ体制を促し、万が一の事態にも迅速に対応できるようにするのが狙いでした。
実際にSOSを送信した方が2人ほどおられましたが、大事に至ることはなく、無事レースは終了しました。近隣の町から参加したという消防士の方が「道が荒れている被災地を走ることで、震災の被害の大きさを改めて感じました。これからも復興に向けて一緒に頑張りたいです」と感想を語ってくれたように、それぞれが復興への思いを新たにした意義あるサイクリングイベントとなりました。
今回、日本ユニシスが提供したGPS監視システムは、今後「GEOMOBI」というサービスとして広く提供していきます。移動中の相手の位置情報をリアルタイムで把握できるので、タクシーの的確な配車や、営業スタッフやサービススタッフの効率的な訪問といった活用が期待でき、今後の広がりが楽しみです。
熊本の地元の皆さまが震災復興にご尽力されている中でのイベントでしたが、弊社は今後もICTサービス(ビジネスエコシステム)を通じて、金融、流通、観光、農業など、さまざまな異業種と連携し、「創造的復興に向けた熊本の新たな挑戦!」を共に推進いたします。