貯蓄から資産形成へ――個人資産形成支援アプリ「Fortune Pocket」提供開始

資産形成支援に特化した機能を無償で提供

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社会的に「貯蓄から資産形成へ」という意識が高まっているが、なかなか一歩を踏み出せないでいる状況だ。そうした個人の中長期的な資産形成をサポートするため、日本ユニシスが提供を開始したのが「Fortune Pocket」というアプリである。イーウェルやマネーツリーといったFinTechベンチャー、各金融機関との協業でビジネスエコシステムを形成し、豊かなライフプランの実現を支援するトータルサービスのプラットフォームを目指す。

  • 「Fortune Pocket」は2021年9月にサービス終了しました。

個人が抱える資産の悩みを解消

長年にわたり「貯蓄から投資へ」が提唱されているが、なかなか個人への浸透は進んでいないのが実情だ。一方で賃金上昇率の低下、終身雇用率の低下、年金制度のゆらぎ、相続税制改変といった社会動向や法制度の変化により、個人を取り巻く将来の生活やお金に対する不安はますます拡大している。

そうした中で注目されているのが、個人の資産管理・形成の普及を促す「貯蓄から資産形成へ」の新たな動きである。たが、資産形成の重要性を肌身で感じてはいても、これまで貯蓄にほとんどすべてを頼ってきた個人にとって、いったい何から、どこから手をつければいいのかわからない。そもそも自分にとっての資産がいかなるものであるのかさえ明確につかみきれていない状況で、一歩を踏み出せずにいる。

そうした多くの個人に向けて、日本ユニシスが2017年10月2日から新たに提供を開始したのが、「Fortune Pocket(フォーチュンポケット)」というFinTechサービスである。

Fortune Pocket(フォーチュンポケット)
Fortune Pocketトップ画面
日本ユニシス株式会社 ファイナンシャル第一事業本部 統括部長 市嶋敏博

日本ユニシス株式会社
ファイナンシャル第一事業本部
統括部長
市嶋敏博

日本ユニシスのファイナンシャル第一事業本部 統括部長、市嶋敏博は、「個人が抱えているお金の悩みを少しでも解消し、豊かさや幸せを得られる時代を目指さなくてはなりません。日本ユニシスとしても確定拠出年金や相続など、個人の資産管理に関わるシステム構築を通じて培ってきた経験・ノウハウを基にした個人の資産管理サービスを提供し、社会課題の解決をサポートしていきます」と、その狙いを語った。

具体的にFortune Pocketとはどんなサービスなのだろうか。市嶋によると「家計の資産と負債を把握し、中長期的な資産形成をサポートすることに特化した、スマートフォンやPCで利用できるアプリ」である。これだけを聞くと、きっと後発の家計簿アプリなのだろうと想像してしまいそうだが、どうやらこれは大きな誤解のようだ。

「家計簿アプリは短期的なお金の収支を管理することに主眼をおいたサービスであり、そもそもFortune Pocketとはコンセプトが異なります。お互いに競合するものではなく、使い分けていただく関係になります」と市嶋は強調した。

「見る、分析する、学ぶ、殖やす」に基づいた4つの機能を提供

日本ユニシス株式会社 ファイナンシャル第一事業本部 所長 上柿元 亘

日本ユニシス株式会社
ファイナンシャル第一事業本部
所長
上柿元 亘

Fortune Pocketという名称には、「幸運をもたらす財産(フォーチュン)をためる(ポケット)」という意味(願い)が込められており、あわせてカンガルーがポケットに入ったほのぼのとしたロゴも用意するなど、日本ユニシスとしてこのアプリを多くの個人に親しんでもらえるサービスに育てていく意気込みだ。

日本ユニシス ファイナンシャル第一事業本部 所長の上柿元亘は、「Fortune Pocketでは資産形成における基本要素を『見る、分析する、学ぶ、殖やす』と定義しており、まずは個人のバランスシート作成、ライフプランシミュレーション、豊富な金融コンテンツ、お得なキャンペーン情報といった4つの機能を無料で提供することからスタートします」と説明する。

説明図
サービスコンセプトに基づく資産形成の基本要素を踏まえ、
Fortune Pocketでは上記4つのサービスを無料で提供する。

また、福利厚生サービス「WELBOX」を展開する株式会社イーウェル、複数の銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を集約する「MT LINK」で知られるFinTech事業者のマネーツリー株式会社をはじめ、様々な金融機関とも業務提携し、サービスの拡充と普及に共同で取り組んでいく構えだ。

「資産管理を軸にライフイベントやライフステージに関わる多様なサービス提供者とビジネスエコシステムを形成し、個人の豊かなライフプランの実現を支援するトータルサービスプラットフォームを目指します」と、市嶋はFortune Pocketの将来像を示した。

また、そこに向けた具体的なロードマップとして上柿元は、「来年以降の第2ステージでは、資産状況評価や査定(不動産/自動車)、金融商品比較、資産活用・形成コンサル仲介、節税シミュレーションなどの有料サービスを提供。さらに第3ステージでは、相続・贈与シミュレーション、相続コンサル仲介、財産目録作成、遺産分割協議書作成、エンディングノートなどのサービスも補強していきます」というプランを明らかにした。

これにより今後5年間で300万人の会員を獲得し、売上高50億円の達成に向け取り組んでいく方針だ。